2007年01月10日

マジメに効くオフザケ

勉強のつもりで見始めたTVアニメだが、いまや趣味のほうが強くなって消化しきれないほど録画をためてしまっている。見ても見なくてもよいアニメも多いのだが、さすが競争の激しい業界だけあって良質な作品もまた多い。

この休みを利用して消化したなかでは『武装練金』が予想以上におもしろかい。骨格は少年マンガの王道。平凡な高校生が偶然のきっかけからヒーローとして成長する姿を描いている。原作を知らないぶん素直に楽しめている。

王道だがそのストーリー運びに特徴があり、ギャグパートをふんだんに挿入したバカかっこいい仕上がりになっている。シリアスとギャグの配合が読み手の予想を超えており、定石のキメにまでオフザケが侵入しても破綻しない。これが楽しい。
しかも、このバカさのおかげで主人公カズキの聖人君子ぶりがスベらない。正論だけを強調すればするほど軽薄で嘘っぽくなる。対角でバランスをとった好例だろう。

また、ストーリーを運ぶ視点にも特徴がある。神様の俯瞰ではない。主人公から一歩引いてはいるが、登場人物の誰にも感情移入していないのだ。あえて言うならヒロイン斗貴子の常識部分だろうか。
これは舞台演劇の感覚だ。登場人物は役を演じている役者であり、リアリティは観客との共謀によって保証される。つまり、バカをやらせても登場人物の価値にダメージがおよばないようになる。これは上手い。

武装練金』、オススメである。

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正論のくだりを補足。

多くのストーリーでは主人公は正論の実現において困難と遭遇する。理想と現実のギャップをいかに美しく妥協するか、いかに正面衝突を回避する僥倖に恵まれるかがポイントになる。そこで失敗すると嘘くさくなってしまう。

しかし、カズキは妥協しない。葛藤にかける時間はほどんどなく、正論をゴリ押ししてくる厄介なこどもなのだ。この喉ごしの悪い純粋さをオブラートで包むのがギャグであり、そこに照れ隠しを感じとるからこそ飲みくだす気分になる。

勧善懲悪を語るなら考慮してよい手法だ。
posted by galeki at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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